2008年9月15日月曜日

フランス・ロンドン旅行~マリア信仰 


フランスを旅行していろいろな教会を訪れましたが、そこで印象に残ったことは、強いマリア信仰です。
それは去年旅行したイタリアでも同じでしたが、今回の方が訪れた教会の数が多いので、その印象もかなり強くなりました。
フランスもイタリアもカトリック国ですので、マリア信仰があるのはわかっていましたが・・・。
そこで少し調べてみました。
新約聖書にはイエスの母のマリアについてはほんの少しの記述しかなく、マリアを信仰すべきとは書いてありません。
しかし、多くのカトリック教会にはイエスを胸に抱くマリア像があります。

一神教であるキリスト教は当初、「万能なる神」のみを信仰すべきで、他の対象を信仰することは信仰対象のズレをもたらしかねず、認められませんでした。
偶像崇拝の禁止です。
これは同じ一神教であるユダヤ教、イスラム教も同じです。
ところが当時、言葉の通じにくい他民族や教育を十分に受けていない人々への普及のために教義を分かり易くする必要があり、キリスト教会はその土地の宗教や神々とキリスト教を重ね合わせていきました。
それで絵や彫像への信仰を認めたり、土着の母性信仰と重ね合わせるためにマリア信仰を黙認したりというように、教義の解釈を現実に沿って微妙に変えていきました。


こういった点もプロテスタントには受け入れ難いものでしょう。
ホセ・ヨンパルト(カトリック司祭)著「カトリックとプロテスタント」によると、
『プロテスタントはキリストがマリアから生まれたという事実は認めますが、それ以上のことは認めないようです。』
『カトリックはマリアを神またはキリストのように拝むことはしません。マリアも神によってつくられた人間であり、神でも女神でもありませんが、マリアはすべての人間のうちで最も神に近い者であり、そして神自身もマリアを大切にしました。だから、カトリック教会も昔からマリアを特別に大切にしたわけです。』 
ということです。 
聖母マリアに祈ることは、「それは神への取り次ぎとして最も力がある祈りだから」(同書より)ということだそうです。


ノートルダムNotre-Dame(私たちの貴婦人=聖母マリア)という名を冠し、聖母マリアに捧げられた教会堂が世界各地のフランス語圏に建てられています。
他のカトリック国でも同様だと思います。
布教のためとはいえ、マリア信仰がこれだけ広くいきわたっているのは、人々がそれだけ聖母マリア=母性を求めているということなのかな、と思いました。

                  ↓シンプルでモダンな聖母子像。


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